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【レポート】12.14(日)開催:特別上映『かぐや姫の物語』朝倉あきさん トークイベント

2025年12月14日

カンヌ国際映画祭《監督週間》に選出された、世界最前線の映画を日本でいち早く鑑賞できる貴重な機会である「カンヌ監督週間in Tokio」。第3回目となる今年は、ヒューマントラストシネマ渋谷にて12月12日(金)から12月25日(木)まで開催。


今回、特別上映作品として、2014年のカンヌ国際映画祭《監督週間》に選出された高畑勲監督『かぐや姫の物語』がセレクトされ、14日(日)の上映後、かぐや姫の声を演じた俳優・朝倉あきさんが登壇。本作のファンだというジュリアン・レジ氏と、制作当時の貴重なエピソードや今なお色褪せない作品の素晴らしさについて語り合いました。


下記、イベントの一部レポートをお届けします。



「カンヌ監督週間 in Tokio 2025」特別上映『かぐや姫の物語』トークイベント概要


日時:12月14日(日) 12 :00の回 上映後

場所:ヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区渋谷1丁目23-16 ココチビル8F)

登壇者:朝倉あき(俳優)、ジュリアン・レジ (「監督週間」アーティスティック・ディレクター)

司会:矢田部吉彦



現在も配信サービスでは鑑賞できない『かぐや姫の物語』、その貴重な上映イベントにチケットは早々に完売。しずかな熱気に満ちたなか、かぐや姫の声を演じた朝倉あきが登場すると、満員の会場はあたたかな拍手に包まれた。司会の矢田部から一言を求められると、「もう10年も前のことになりますが、まだ右も左もわからない若手の頃に抜擢していただいた」と当時を振り返った。


司会の矢田部が、今回の特別上映に本作をセレクトした理由を尋ねると、「若い頃に宮崎駿の作品を観て、その後、今敏や高畑勲の作品を観るようになった」と自身も日本アニメの大ファンであることを打ち明けたレジは、「日本はアニメーション制作が盛んな国として認識していますし、《監督週間》でももっとアニメーション作品が増えてほしいのです」と熱い気持ちを語る。

「2014年の《監督週間》の当時のことを少しお話しすると、高畑勲の『火垂るの墓』について書籍を出している批評家が作品選考委員にいたり、さらにパリの日本文化会館で高畑勲のレトロスペクティブ展が開催されて、それもチケットが入手困難なほどの大人気で、とてもタイミングが良かった。今こそ高畑勲のアニメを、という気持ちで今回は特別上映してもらいました」とフランスにおける日本アニメの人気と重要性を説いた。



一方、主役・かぐや姫に抜擢された経緯について、オーディションで選ばれたという朝倉は当時のことをこう振り返る。「会場には有名無名問わず沢山オーディションを受ける方がいまして、人が多いからか予め渡されていた台詞も全て読めず、ワンフレーズくらい読んだところで『分かりました』と一瞬で終わってしまい。何も興味を持ってもらえなかった、目すら合わせてもらえなかったと悲しくなってしまって……これは落選したなと思って、駅に向かうまでのそれなりに長い道のりを人目もはばからず号泣しながら帰りました」。それでも主役に抜擢されたことについては「この人なら託せるかもしれないと思って選んだ、と聞きました。その言葉を聞けるまではずっと疑心暗鬼でしたよ」と、当初は自分が選ばれたという実感がなかなか湧かなかったようだ。


竹取物語が日本ではどういう位置づけの物語なのか、というジュリアンの問いに朝倉はイソップ物語を例にあげて説明。「日本人にとって子供の頃から親しまれている代表的なおとぎ話です。だからこそ当初は、こんなにシンプルな子供向けの物語を、大人が楽しめる作品に仕上げられるのか不安がありました」と回想。しかしいざスタジオに入ると、高畑勲監督には「孫のように可愛がってもらいました」と顔を綻ばせた朝倉は、「わたしたち声優には優しくて、何を聞いても和やかに答えていただきました。けれどアニメーターの方々にはとても厳しかったと聞いています。もっとこうしてくれ、なぜ自分の表現したいことが分からないのか、と表現を追及し続けていた印象です」と高畑監督が特にビジュアル面には強くこだわっていたことを明かした。



そんな高畑がこだわったビジュアルの繊細な線画の表現にとても感銘を受けたと語るレジは、印象的なシーンとして逃げるかぐや姫の描写を挙げる。「どんどん加速していって、鉛筆の線が見えてきて、形も消えかかり、キャラクターの周辺には黒や灰色だけが残る。この映画のハイライトのように思えました」。今度は、レジから印象的なシーンを問われた朝倉は、「そのシーンは私も好きなんですが、何気ない表情が好きなんです。衣装に纏わりついてはしゃぐ無邪気なシーンや、先ほどの疾走する前の宴のシーンで嫌なことを言われて表情が変わるところ、街中で捨丸兄ちゃんを見つけてハッとするシーンだったり、一瞬一瞬の表情が素晴らしいですね。あとは当時オーディションでも演じた『高貴な姫君は人ではないのね?』と言うシーンが一番印象に残っています」と、演者として、さらにいち観客としても高畑作品の魅力を語った。


それからレジがパステル調の色づかいの素晴らさにも言及すると、当時のことを回想しながら「高畑さんは『木を植えた男』(1987年)のフレデリック・バック監督を尊敬していたようで『師匠だ!』とおっしゃっていました。なので、その影響を強く受けていらっしゃるような気がします」と解説する朝倉。

 劇中で歌をうたっていることについて触れられると、はにかみながら「私は歌がとても苦手だったので、すごく練習をしました。高畑さんは当時流行っていたボーカロイドで作曲をされていて『無理な音の高さにはしてないんだけどなあ』と何度も言われたことを憶えています。すごく緊張しました」と、特に歌に関して相当なプレッシャーを感じたと語った。


最後に高畑勲監督の偉大さの所以を問われると、朝倉は「世界を知ろうとする学者的な探求心が非常に強いところですね。愛とはなんだろう、人はなぜ争うのだろう、竹取物語はなぜ愛されるのか、そういったことをずっと考えてらしたと思います」と述懐。「高畑さんの辿り着いたその答えを、アニメーターの方々や私たちが理解して追い付くことに必死でした」と締めくくり、あらためてその存在の大きさを観客に伝えた。




映画『かぐや姫の物語』ジブリ公式ページ

https://www.ghibli.jp/works/kaguyahime/


▼作品情報




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