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【レポート】12.12(金)開催:オープニング『ザ・プレジデンツ・ケーキ』上映&イベント

2025年12月12日


12月12日(金)よりついに開幕した「カンヌ監督週間 in Tokio 2025」!

今年のオープニング作品は、カンヌ国際映画祭で全部門を通じて選ばれる新人監督賞(カメラ・ドール)、そして「監督週間」の観客賞をW受賞した『ザ・プレジデンツ・ケーキ』。イラク人監督のハサン・ハディが、不条理な生活を強いられたイラク市民の生活を、健気な少女の姿を通じて素朴かつ力強く描き出した傑作です。上映後には、今年もフランスより来日した「監督週間」アーティスティック・ディレクターのジュリアン・レジ氏が登壇し、オープニングイベントが開催されました。


以下、イベントの様子を一部お届けします。



日時:12月12日(金) 18 :00の回 上映後

場所:ヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区渋谷1丁目23-16 ココチビル8F)

登壇者:ジュリアン・レジ氏 (「監督週間」アーティスティック・ディレクター)

司会:矢田部吉彦さん


 上映後、登壇したレジが今年で三回目を迎える「カンヌ監督週間 in Tokio」開催の喜びと感謝の言葉を述べ、トークイベントがスタート。司会の矢田部吉彦から、本作をオープニング上映作品としてセレクトした意図を聞かれると、大きな理由のひとつに、長編デビュー作であるにも関わらず制作が難しい題材に臨んだ点を挙げる。


「初長編作品で、1990年のサダム・フセイン政権下のイラクを再現して描くというのは非常に画期的であり、しかもイラクで実話をもとにした物語を撮るというのは大変な試みであることが想像に難くありません。当時、サダム・フセインの政権下では、学校の抽選でどの子供が大統領の誕生日ケーキを作るかということが行われており、それが経済制裁を受けて世の中が貧しく物資にも乏しい時期、子供がそれだけ大きな任務を背負ってメンタル的にも追い詰められるということがあったのです」


 映画で描かれた社会的背景を説明したレジは、その困難に直面しながらも問題を解決していく子供たちの姿が「どこか古典的な手法でありつつもとても良く再現されていて、かつ、自分が探しているものを追い求める姿はどこかおとぎ話のような側面もある」と分析した上で、アッバス・キアロスタミ監督の『友だちのうちはどこ?』(1987年/イラン映画)を彷彿とさせると指摘した。



 さらに、本作の気に入っているポイントとして、映画に登場する役者がプロではない点に言及し「それでこれだけの素晴らしい作品を作り上げる力量に非常に魅了された」と明かした。


 当初はそれほど注目されていなかった作品だったが「《監督週間》にセレクトされたという情報から、世界各国の配給会社が飛びついてきて、カメラドール賞だけでなく、観客の投票による賞も受賞して、アカデミー国際長編映画賞のイラク代表にも選ばれて大躍進した」と、《監督週間》が世界に果たすべき役割について喜びと共に語った。なお、本作は松竹の配給で日本公開も決定している。



 今回の「カンヌ監督週間 in Tokio 2025」では日本の作品が計3作品上映される。

 過去2回の監督週間では、作家主義的な若手をセレクトして、ラディカルさや革新的な部分を持った作品が多かったと前置きしたうえで、レジは「今年はジャンルにしても内容にしても多種多様なセレクトになった」と自負。なかでも李相日監督『国宝』、団塚唯我監督『見はらし世代』については、「日本映画の多様性を象徴するラインナップ」だという。


 まず、世界的に大成功を収めた『国宝』については「歴史や伝統もありながら、モダンな作りのメロドラマでもあり非常にエレガントで、全盛期の大手制作会社が作ったかのようなスケール感」と賞賛し、「この作品をセレクトすることは一種の賭けのようなものでしたが、《監督週間》がワールドプレミアであったことを大変誇りに思うと同時に、この歴史的なヒットを一緒に喜んでいます」と感慨を述べた。

 一方、日本人監督として史上最年少の26歳で《監督週間》に出品された『見はらし世代』については、「父と息子の関係性や、景観の変化が与える影響についても繊細に描いていて、若者の描き方に定評のあった青山真治監督の作品を思い起こさせる素晴らしい作品」と賛辞を贈った。

 また、特別上映が決定した高畑勲監督『かぐや姫の物語』(2004)に「日本のアニメ作品に敬意を払っているので、ぜひ今回も上映したかった」と、そのリスペクトぶりも告白した。


 そのほかのラインナップについても「どんどん中身が濃いものになっている」と自信のほどを示すと、会場の日本の映画関係者へ向けて「日本の劇映画やアニメなど、様々な作品を監督週間で上映したいので、どんどんチャレンジしてほしい」とエールを送り、オープニングを締め括った。


▼作品情報



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