カンヌ監督週間
in Tokio 2024
カンヌ国際映画祭<監督週間>2024 特集上映
最前線の映画たちに出会う12日間、今年も開幕!
Sélection indépendante et singulière
独立性のある、他に類いのないセレクション
唯一無二のセレクション
カンヌ国際映画祭<監督週間>2024特集上映
最前線の映画たちに出会う12日間
1968年、作家性や芸術性の高い作品を称揚するためにカンヌ映画祭に創設された「監督週間」。
そのセレクションは決してハ-トウォーミングな作品やラブコメなどではなく、ラディカルで自由な矢を放ち、見る者の心を打つメッセージ性の高い作品ばかりです。日本の映画ファン、映画・映像業界に携わる方々、そしてこれからその世界に飛び込もうとしている若者たちへ向けて、世界の最前線の映画たちを今年もお届けします。
上映作品
※イベント詳細は後日発表
©CHRISTMAS IN JULY
This Life of Mine
『これが私の人生』
55歳の女性、愛称バービー。軽い不安を抱え、セラピーにも通うが効果は怪しい。成人した子どもたちとの関係も微妙だし、親しく話しかけてきた男性にも全く見覚えが無く、バービーは不安を募らせる…。人生後半に差し掛かった女性の軽妙にして真摯なポートレート。一時代を築き、23年7月に57歳で逝去したフィリエール監督の遺作であり、撮影後に遺族が作品を完成させた。監督の分身として見事な存在感を発揮するアニエス・ジャウィも素晴らしい。
CAST: Agnès Jaoui, Angélina Woreth, Édouard Sulpice, Philippe Katerine
<2024年/99分/フランス>> 日本語字幕
監督
Sophie Fillières
ソフィー・フィリエール
上映スケジュール
12/8(日) 16:45
12/12(木) 18:00
日本語字幕
*イベント
*イベント
©2024「ナミビアの砂漠」製作委員会
Desert of Namibia
『ナミビアの砂漠』
21歳のカナは優しい会社員から、野心的なクリエイターへと交際相手を変えるが、乾いた心が潤うことはなく、なかなか人生を自分のものに出来ない。奔放な感情と上手く対峙できずにもがく主人公の心境を生々しく捉え、新鮮で鋭い切れ味とベテランのような安定感の双方を兼ね備えた山中監督は、20代にして「監督週間」入りを果たした。その世界を完璧な形で体現した河合優実との奇跡的なコラボレーションが、日本映画史に残る輝きを放っている。
CAST: 河合優実, 金子大地, 寛一郎, 新谷ゆづみ, 中島歩, 唐田えりか
<<2024年/137分/日本> 企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
監督
山中瑶子
Yoko Yamanaka
上映スケジュール
12/14(土) 12:40
12/18(水) 20:00
*イベント
East of Noon
『イースト・オブ・ヌーン』
愚かな権力者が支配する海辺の街。青年アブドは警察の汚れ仕事を手伝う一方、宅録音楽で成功を夢見ている。恋人のヌンナも体を張りながら毎日を生き抜く。そして祖母は地元の語り部として、若者の運命を導いていく。現実から取り残されたような地で、自由と想像力に希望を託すタイムレスな寓話。モダンとレトロが交わる独特の演出が際立つエルクシ監督はインスタレーションや彫刻なども手掛けるアーティストであり、本作が長編第2作。
[CAST: Ahmed Kamal, Menha El Batroui, Omar Rozeik, Fayza Shama
<2024年/109分/オランダ、エジプト、カタール> 日本語字幕
監督
Hala Elkoussy
ハラ・エルクシ
上映スケジュール
12/15(日) 14:00
12/16(月) 20:50
日本語字幕
©ATELIER DE PRODUCTION - AGAT FILMS & CIE
Eat the Night
『イート・ザ・ナイト』
パブロとアポの兄妹は長年に渡りオンラインゲームのダークヌーンにハマってきたが、突然のサービス終了の知らせに衝撃を受ける。アポが自身のアバターとの別れを惜しむ一方で、現実世界でヤクの取引に携わるパブロは新しい相棒との関係を深め、敵対グループといがみ合う。スリラーとロマンス、リアルとバーチャルが巧みに交錯するエモーショナルな青春映画。ベルリン映画祭で初短編が最高賞を受賞したコンビ監督による2本目の長編作品。
CAST: Théo Cholbi, Erwan Kepoa Falé, Lila Gueneau
<2024年/106分/フランス> 日本語字幕
監督
Caroline Poggi, Jonathan Vinel
キャロリーヌ・ポギ&ジョナサン・ヴィネル
上映スケジュール
12/10(火) 18:20
12/11(水) 20:50
日本語字幕
©Telstar Films
Gazer
『ゲイザー』
脳に珍しい障害を抱える若い母親が、娘のための金を必要とするあまり、怪しい女から奇妙な仕事の依頼を引き受ける。やがて、欺瞞と復讐と殺人の世界に足を踏み入れる羽目になる…。70~80年代のパラノイア・スリラーにオマージュを捧げる本作は16mmフィルムで撮影され、ジャンルへの愛着に溢れる。主演女優とともに脚本を執筆したスローン監督は電気技師から映画作りに転身し、低予算で手掛けた長編第1作が本作である。
CAST: Ariella Mastroianni, Jack Alberts, Renee Gagner, Marcia Debonis
<2024年/114分/アメリカ> 日本語字幕
監督
Ryan J. Sloan
ライアン・J・スローン
上映スケジュール
12/13(金) 20:35
12/17(火) 18:15
日本語字幕
©いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会
Ghost Cat Anzu
『化け猫あんずちゃん』
母を亡くした小5の少女かりんは、父の地元に連れてこられ、祖父が住職の寺で夏を過ごす。寺には人間のように暮らす37歳の化け猫のあんずちゃんが出入りしており、かりんは驚愕するが、やがてあんずちゃんに重要な願い事を相談する…。森山未來が演じるあんずちゃんを山下監督が実写で演出し、取り込んだ映像のアニメーション化プロセスを久野監督が率いた。おっさんキャラの化け猫の絶大なインパクトは、カンヌを爆笑させた!
CAST: 森山未來, 五藤希愛, 青木崇高, 市川実和子, 鈴木慶一
<2024年/97分/日本> 配給:TOHO NEXT
監督
久野遥子 山下敦弘
Yoko Kuno Nobuhiro Yamashita
上映スケジュール
12/8(日) 19:45
12/11(水) 18:00
*イベント
©Visit Films
Good One
『グッド・ワン』
17歳の少女が父とその友人との山登りに付き合う。山の経験のある父娘は、不慣れな友人をからかいながら、3人で和やかに自然を楽しむ。しかし少女は次第に大人とのずれを意識していく…。些細だが軽はずみな言動によって揺れていくティーンの繊細な内面を丁寧に掬い上げ、ナチュラルなタッチが抜群のセンスを感じさせるドナルドソン監督の長編デビュー作。「良い子」のイメージを押し付けられる少女を鮮やかに演じた主演のリリー・コリアスにも注目。
CAST: Lily Collias, James Le Gros, Danny McCarthy, Sumaya Bouhbal
<2024年/90分/アメリカ> 日本語字幕
監督
India Donaldson
インディア・ドナルドソン
上映スケジュール
12/10(火) 20:45
12/13(金) 18:30
日本語字幕
© 2024 E & W Films, Le Petit Jardin, Deuxième Ligne Films
Mongrel
『モングレル (白衣蒼狗)』
タイから台湾に渡った青年オームは、山岳地帯で資格を持たずに介護業務を行っている。不法滞在外国人たちを働かせる非情な組織に加担しながら、オームは介護する相手に自らの苦境を重ねていく…。暗闇と省略を効果的に用い、ミニマルなリアリズムで追い込まれた人々の過酷な心境を描き切ったウェイリャンとヨウチャオ共同監督は、カンヌ映画祭全体を対象とする新人賞「カメラドール」でスペシャル・メンション(実質2等賞)を受けた。
CAST: Wanlop Rungkumjad, Daniel Hong Yu-hong, Lu Yi-ching, Kuo Shu-wei
<2024年/128分/台湾、シンガポール、フランス> 日本語字幕
監督
Chiang Wei Liang
Co-Director:YIN You Qiao
チャン・ウェイリャン
共同監督:イン・ヨウチャオ
上映スケジュール
12/9(月) 18:20
12/12(木) 20:50
日本語字幕
©Los Ilusos Films, Les Films du Worso and Memento International
The Other Way Around
『ジ・アザー・ウェイ・アラウンド』
映画監督のアレと俳優のアレックスは15年に渡る交際を終わらせることにする。出会いより別れを祝福すべきというアレの父親の言葉に従い、同棲解消記念パーティを企画するが、友人たちは困惑する。カップルの関係に映画作りを交えたメタな要素も持つロマコメの一種であり、ベルイマンやトリュフォーへの目配せも嬉しい。女性の内面や人間関係のもつれを描くことに長けるトルエバ監督は、スペイン内外の映画賞受賞も多い実力派監督のひとり。
CAST: Itsaso Arana, Vito Sanz
<2024年/114分/スペイン、フランス> 日本語字幕
監督
Jonás Trueba
ホナス・トルエバ
上映スケジュール
12/16(月) 18:30
12/17(火) 20:30
日本語字幕
©Metafilms
UNIVERSAL LANGUAGE
『ユニバーサル・ランゲージ(原題)』
雪が積もる街に、複数の人物が交差する。少女は厚い氷の中に閉じ込められたお札を手に入れるべく奔走する。少年はメガネを七面鳥に奪われたと訴える。つまらない役所仕事を辞めたマシューは、母に会うための謎めいた旅に出る。イランとカナダが繋がる不思議な地にて、シュールで奇妙なエピソードが絶妙に絡み合う。独自の世界観と映像センスで魅了する実験映画出身のマシュー・ランキン監督による長編第2作にして、米アカデミー賞のカナダ代表作品。
CAST: Rojina Esmaeili, Saba Vahedyousefi, Pirouz Nemati, Matthew Rankin
<2024年/89分/カナダ> 日本語字幕 配給:クロックワークス
監督
Matthew Rankin
マシュー・ランキン
上映スケジュール
12/15(日) 12:00
12/19(木) 20:50
日本語字幕
2024©Yanai Initiative
Extremely Short
山村浩二監督短編集『とても短い』
「監督週間」短編部門に選出された『とても短い』は、米国人の翻訳家が企画者となり、古川日出男の原作を古川本人が熱く朗読し、東京を舞台に、ある男の一生と「だ」という音から始まる言葉の数々が縦横無尽に画面を駆け巡るアニメーションと日本文学の合体作である。その他、山村監督の名を国際的に知らしめた『頭山』(03)や、フランス童話作家を原作とする『年をとった鰐』(05)など、珠玉の短編作品7本を特集上映する。
上映作品: 頭山/年をとった鰐/こどもの形而上学/マイブリッジの糸/サティの「パラード」/
ゆめみのえ/とても短い
<2024年/71分/日本>
監督
山村浩二
Koji Yamamura
上映スケジュール
12/14(土) 16:15
12/18(水) 18:30
*イベント
作品紹介:矢田部吉彦
イベント
※日時や詳しい情報は、追ってお知らせいたします。